『研究成果報告書』を刊行しました。
本HPの、「研究活動」欄でも記しましたが、『研究成果報告書』を刊行しました。2014(平成26)年度から2017(平成29)年度まで受けてきた日本学術振興会・科学研究費・基盤研究B「近代学校の組織化に関する地域史研究─就学行政の『勧奨』と『督』の構造化─」の研究成果です。
本共同研究は、私を研究代表者とする合計9名の研究者の共同研究です。1880年代前半の、各道府県が発した「就学督責規則」を収集し、整理・分析したものです。
なによりも成果なのは、全47道府県の就学督責規則を収集・整理した点にあります(福島県・沖縄県は未発見)。さらにいえば、「督責」の方法・地域における就学政策の展開・近世社会との連続性・罰則規程や「強迫」との連続性などを解明したことが上げられます。
今後の課題は、前の時代である1870年代との連続性と非連続性、あとの時代である1880年代後半~1890年代の各道府県が発した「就学規則」の収集・整理・分析です。これらの作業によって、義務教育制度が成立していく過程での地域からの公教育創造の動きがみえてくるものと思っています。