「親」についての作文 馬場朝日

「当たり前ではないということ」

 私の中での「親」という存在は歳を重ねる度に大きく、偉大な存在になっている。私は、大学入学のため、実家を出て、埼玉県で一人暮らしを始めた。一人暮らしの大変さを痛感すると同時に、親に甘えていたことに気付いた。私の両親は、共働きであり、父は早朝に家を出て、夜は遅くに帰る。大工をしているため、怪我をして帰ってくることもある。母は、朝早く起きて、弁当を作り、仕事から帰ってくると夕食を作る。私は、これを親として当たり前のことだと思っていた。しかし、それは間違っていた。誰かが自分のためにお金を稼いでくれることや、ご飯を作ってくれることは、当たり前ではない。そのことに一人暮らしを始めてから気が付いた。また、姉と自分の学費も一生懸命働いて、払ってくれていた。いつも側にいて、身近な存在だった人がこんなにも偉大で格好良いということを今更ながら知った。私は、教育を学んでいく中で、親が子どもを支えるということが、当然のことではないことも学んだ。様々な要因で家庭環境が良いとは言えず、学校に行くのが困難な子どもたちも少ない。子どもを育てるというのは、そう簡単なものではないはずだ。しかし、何一つ辛い姿を見せずに育ててくれた親に感謝している。いつか私もそんな存在になりたい。