「親」について 渡邉 崇大
「すごいかもしれない人」
私の親は専業主婦と会社員で、私を含めた三人の子どもを養っている。さらに、祖父、認知症の祖母、足の不自由な叔母の面倒も見ている。私の母は人づきあいが良く、よく家にいろんな人が遊びに来る。近所の人から魚をもらったり、お話をしに来たりする。また、父は地元では友達も多く、職場ではなぜか部下から慕われているところをよく見る。なぜそんなにすごい人でもないのに人から好かれるのだろうか。今のところその答えは見つかっていない。先ほどにも述べたように、私の両親はすごい人ではない。しかし、もしかしたらそれなりにすごいところがあるのかもしれないと思った。だが、家族という身近すぎる存在だからだろうか、悪いところしか思い浮かばない。健康のために朝早くからウォーキングに出かけるも、イノシシの目撃情報やクマの目撃情報があったからなどと言いウォーキングを二日でやめる母。変な服装で、何も言わずにラーメンを食べに行き、用もないのに本屋に寄る父。かなり変な両親だと思う。しかし私は両親を尊敬している。なぜなら私は両親に守られながら生きてきたからだ。母は、私がまだ歩くことができないくらい小さいころ、トラックにひかれそうになったところを身を挺して庇ったらしい。父は私がヘビに襲われそうになっていたところを守ってくれた。ほかにも何度か危険なことはあったが、毎回両親が守ってくれた。もしかしたら自分が死んでいたかもしれないというのに、怖くなかったのだろうか。もしかしたら両親は少しだけすごい人なのかもしれない。