関心をもっているテーマ 磯﨑未奈

私が今最も関心をもっているテーマは、「学校に行きたくても行けない子どもたち・家庭への支援」だ。この中には病気、不登校など様々な理由によって、学校に行けない子どもたちが含まれている。対象範囲はとても広くなってしまうが、私はとても重要な問題だと考えている。
私は小学校中学校高校と、不登校を始めとする学校に来れない人と関わる機会が無く、正直、教育学科に入るまで関心ももたずちゃんと知ろうとすることも無かった。だが、その考えが変わる契機として、私の弟のことがある。私の弟は現在高校2年生であるが、昨年の高校1年生の2学期の始業式の次の日に、突然、朝起きられなくなってしまった。様子としては、ずっと静かに眠っているような感じで、本人はその時の意識が無いという。この意識が無い状態が終わるのは、日によってまちまちで、早い時は7時ごろから声掛けを続けて9時ごろに目覚める。長い時は、17時まで目覚めなかったことがある。たくさんの病院を受診したが、病名は見つからず、心理的ストレスによる一種の睡眠障害ということだった。だが、弟は「学校にはすごく行きたい、でも体が起きられない」と言う。2学期中は遅刻や全休を繰り返し、3学期にはほぼ毎日朝から行けるようになったが、今回のコロナによってぶり返し、登校再開から週に1~2回くらいのペースで、現在も遅刻や全休をして行っている。
1年生の時は、この状態ではテストも受けられず、また休みすぎで進級すら出来ないのではないかと家族は思っていた。しかし、担任の先生が家庭訪問に何度も来て悩みなどを聞いてくれ、学年の先生たちで話し合って、特別措置として時間外でもテストを受けられるようにしてくれた。また、学年主任が校長先生とも掛け合ってくれ、様々な措置をとってくれた。なので、ギリギリ1年生に必要な単位を取得し、2年生に進級することが出来た。
この経験から、不登校や病気などの様々な理由によって学校に行けていない子どもたちの中には、私の弟のように「また学校に行きたい」と思っている子は必ずいると思った。だが、勉強や友達関係などに対する心理的不安やストレスなどから学校に行けない子も多い。家族も、進級や進学、また本人の状態など心配事が尽きない。そして、この状態を誰に相談するのが適切なのか、分からなくなる時がある。実際、私たちがそんな状況に陥った時に助けになってくれたのは、弟の学校の先生たちである。何度も家庭訪問をする中で、悩み・不安にあった解決策を考え、提示・実行してくれた。なので、教師には子どもやその家族がどのような思いや悩み・不安を抱えていて、どのような支援を求めているのかを知ることが必要だろう。
支援をするためには、まずどのような支援方法があるのかを知ることから始めたい。書籍や論文から実践例を読んだり、また進級するための単位を知るには法などの勉強も必要だと思う。どうしても教師だけでは解決出来ない時のために、学校外の団体のことも知る必要があると考える。「学校に行きたい」と思っている子どもが再び学校に行けるように、私はしっかり学びたいと思う。