2024年の年頭に思う

新しい年を迎えました。HPでお世話になっている皆様にとって、今年がよい年となることを祈念しております。

本来「新年おめでとう」と書きたいところですが、新年の幕開け早々から大震災と大事故に見舞われました。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。 世界を見渡す時、残念ながら紛争という名の戦争が絶えません。一昨年のロシアによるウクライナに対する、昨年はイスラエルによるガザ地区に対する、それぞれの大規模な軍事攻撃が起こってしまいました。私たちの無力を嘲笑うかのような攻撃が続き、幼い生命が連日奪われてしまった時、私たちは何をすべきかを考えさせられます。
私は、今こそ私たち自身の「足元の力」を育てるべきであると思います。「足元の力」とは、私たちの微力な民主主義を育てることです。日本は一見すると民主主義国家であるかのように思えます。しかしそれは間違いです。この国の民主主義は脆弱です。各種選挙での投票率しかり。安倍政権時代の「モリ・カケ」問題しかり。派閥によるパーティー券による裏金作りしかり。
では民主主義を育てるために何が必要か。教育がとても大切です。競争のための教育ではなく、子どもたちを、それぞれのもつ個性を大切に育てていく主体性を育てる教育です。そこでは「自分の言葉」を大切にすることだと考えます。
言葉を育てることを通じて人・子ともたちを育てること、このことが今大切になっていると思っています。
故加藤周一氏は、1968年のソビエト軍のチェコ・ハンガリー・ポーランド等への侵略に対し「1968年の夏、小雨に濡れたプラハの街頭に相対していたのは、圧倒的で無力な戦車と、無力で圧倒的な言葉であった」と述べています。戦車を無力化する圧倒的な言葉を我々はもつ必要があります。
そのためにも、私自身も微力ながら教育に尽力したいと決意する年頭です。本年もどうぞよろしくお願い致します。