9月の音楽会報告
9月になりました。まだまだ酷暑の続く夏ですが、9月に入って音楽会に行ってきました。退職して時間が充分できたことにより、この秋は音楽会をいつもより多くエントリーしました。
9月1日は、アンナ・スウコフスカーミゴン(指揮)、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏会です。曲目は、ショパンのピアノ協奏曲第1番(牛田智大・P独奏)と、ブラームスの交響曲第1番。ワルシャワ国立フィルは、5年に一回開催されるショパンコンクールで同曲を演奏するこの曲のスペシャリスト集団。それに牛田さんの演奏とくれば聴かないわけにはいきません。同曲は、ショパンが20歳の時に作曲した壮大なスケールとピアノの圧倒的なテクニックが要求される曲。演奏会でも大変満足のいく内容でした。ブラームスの交響曲第1番は、20年にわたる年月を費やしブラームスが43歳の時に作曲した交響曲。異例な時間を費やしたのには、ベートーヴェンの九曲の交響曲の後に、交響曲を作る必然性を自ら問い続けたことによるものとされています。その彼なりの回答がこの曲。後に、当時の指揮者でピアニストのハンス・フォン・ビューローが「ベートーヴェンの九曲の交響曲に続く『第10交響曲』」と評したことは有名です。私自身もこの曲に非常に愛着をもっており、最も好きな交響曲の一つです。この曲については、後日、聴き比べのような形で、私の好きな演奏を整理して述べてみたいと思っています。さて、当日のワルシャワ・フィルの演奏ですが、「壮大さ」という点で少し難があったように思いました。私が求めたのは、もっと雄大かつ迫力のある音でした。ややこじんまりとした感のある演奏だったと思っています。アンコール曲はブラームス作曲の「ハンガリー舞曲第6番」でした。
9月6日は、藤原歌劇団オペラ「ラ・トラヴィアータ─椿姫─」(ヴェルディ作曲)を楽しみました。全編を通じて流れるヴェルディの美しい音楽と、歌手陣の素晴らしい歌声に魅せられました。ヴィオレッタ、アルフレート、ジェルモンら主役級の歌手たちの実力は素晴らしく、日本のオペラの水準の高さを遺憾なく発揮した公演だったと思っています(写真下は終演後のカーテンコール。撮影は許可を得ています)。
今年の秋は、たっぷりと音楽をエンジョイしたいと、今から楽しみにしています。またこのHPで報告させて頂きます。

