24年度前期で34年の「教育史」講義を全て終えました。

大分涼しくなってきました。この夏は、秋に刊行予定の『明治前期の国家と地域教育』の校正におわれました。やっと終わり、間もなくお手許に届けることになりました(刊行できましたら報告します)。先日も報告しましたが、今年度限りで一年早く定年退職すべく準備を進めています。著書の校正を終得て、書類や講義ノート・講義資料を整理していました。今年度・私の最終年度の『教育史1』について以下まとめてみます(「教育史Ⅱ』は担当しません)。

 『教育史1』は、前期のみ15回で、配当学年は3年生です。教職の指定科目でもあるため、教育学科の3年生・4年生が中心で、他学科の中高教職履修学生も若干名履修しています。全体で50名程度で毎年ほぼ同じです。この講義の目的は、時代と共に変化する学校・教育を丹念に描写し、「歴史が苦手」という学生にも楽しく教育史を提供し、学生諸君の教育観を少しでも豊かにすることが目的です。講義の内容ですが、柱は次のとおりです。(1)近世社会における教育機関と民衆の教育要求・識字率、(2)明治維新とは何か、(3)就学告諭の時代と学制、(4)学制の民衆的拒否、(5)1880年代の教育像-教育における国家主義と国体主義の萌芽、(6)ピラミッド型学校体系の模索、(7)教育勅語体制下の学校と教育、(8)就学率向上への政策展開、(9)義務教育制度の成立、(10)受験競争のはじまり、(11)大正自由教育の可能性、(12)総力戦体制と教育、(13)敗戦と教育、(14)戦後教育改革の展開とその内容、(15)日本国憲法の歴史的意義、以上です。

 お分かりと思いますが、一つ一つのテーマはとても大きくかつ深いので、これを一回でまとめるのはとても大変です。(12)以降はどうしても省略できないため、休講などの場合にはそれ以前を簡略化することもあります。毎年ほぼ同じ柱で講義しますが、時によって力点の置き方を変えます。学界で新しい研究が登場してきた時などはその成果を取り入れて強弱を付けています。このHPでお付き合い頂いている先生方の参考になればと思い、整理しているノートからまとめてみました。

※写真は上記の内容とは直接関係ありません。岡山県の旧閑谷学校です。