「人の言葉を伝える」と先生の講義を聞いた感想 志賀百香

大江健三郎さんの文章を読み、荒井先生の感想を聴いて、自分は善とは何かを理解しないまま綺麗事ばかり言い続けていたことに気づいた。頭の中で問題意識がはっきりしないままあるべき姿を述べて、簡単にまとめようとしていた。つまり、本質を知りもせずに、全てを理解したかのように語っていたのである。その原因は、自分の考えを書くことだけに集中して、自分自身を問い直すことを疎かにしていたところにある。その為、文献を読むときも一通り目を通して気になった部分を何度も読み返すだけで満足し、じっくりと全てを二度読み返すことがなかった。そして、全体を把握できていないまま、気になった部分だけを掘り下げて批判していた。
これは、人との関わり方とも似ているように思う。第一印象だけで人を見抜けると思い込み、全て理解したかのように人のことを語る。どちらも第一印象にとらわれている点では同じである。もっと自分自身を問い直し、差別、偏見、決めつけをしていないか見直さなければならない。一通り読んで感じたことが間違っているとは言い切れないが、無意識に決めつけている可能性もある。このことを理解した上で、日頃から意識的に自分の考えを疑うべきだと考える。
今回の資料を読んで何度も読み返し一つの視点にとらわれず、色んな角度から見ることが大切であることに気づいた。そして、辞書を使い言葉を正確に捉えているか確かめることがが物事の本質に繋がるのではないかと考えた。