『相模原事件とヘイトクライム』第四章 コメント 馬場朝日

私は、四章を読み、法律や制度に隠れた差別意識が人々の中に存在することを改めて認識した。差別解消の活動や様々な制度を平等にするなど、一見すると障がい者と障害を持っていない人の差はなくなってきているように思える。しかし、その中でのこの事件は、差別意識を無くすために取り組んでいた人たちの努力を台無しにし、障がいを持った人たちにとってひどく恐ろしい出来事であった。私は、法律や制度を整えていくことは大事だが、人々の心の中にある障がい者への考えを改めていかなければいけないと考える。人々が一生懸命取り組んで作り上げた条約をしっかりとメディアが取り上げることや初等教育で差別についてより深く学ぶべきだと考える。障がい者たちは決して害ではないこと、社会にとって不必要な存在ではないことを学ぶべきである。学んでいくうちに残酷な歴史があったことに触れるかも知れないが、目をそらさずに子どもたちに伝えていくべきだと考える。そういったことを子どもの頃から学ぶ必要がある。私は、当書を読む前から差別意識は無かったが、ここまで深くこの問題を考えたことがなかった。当書に出会い、深く考えることができた。差別意識を無くすために、こういった本に出会う機会を学校教育の中で必ず設けて欲しいと強く願う。そうすることで差別意識は良い方向へ変わっていくのではないだろうか。
 四章で理解できなかった点がある。それは、「差別」の反対は「無関心」という考えである。差別というのは悪い意味である。「悪い」の反対は「良い」という意味になるので「無関心」は良いという意味なのだろうか。しかし、藤井さんも無関心を良いことだと考えていない。どういう意味なのだろう