『相模原事件とヘイトクライム』第4章 磯﨑未奈

私はこの本を読むまで、「障害者の権利に関する条約」も「障害者差別解消法」も知らなかった。自ら障がい者について学ぶことはほとんど無く、またこのような条約、法律に関する報道もされていなかったと思う。世間の大多数の人と同じように、私も障がいに関して無関心だったと思う。
無関心の人を減らしていくために、私も藤井さんと同じように教育が重要だと考える。藤井さんは「障害のある人に直に接してもらうことが大事」と述べているが、学校教育において障がい者と接する機会を作るのはなかなか難しいと思う。私自身、小学生のときに市内の特別支援学校に1回訪れただけである。なので、授業の中で障がい者の実態や条約、法を取り上げ、児童生徒に関心を抱かせることの方が、現実的で必要なことだと考えた。
保坂さんは第4章のはじめに、「加害者の言説に対し、これを封じ込めて、拡散を防ぎ」と述べている。ここで言われている加害者の言説とは事件の根底にある優生思想のことだと思うが、これを封じ込めるだけではまたいつか爆発し、大きな事件が起こると思う。私は封じ込めるのではなく、これを徐々に無くしていくべきだと考える。そのために、国が情報を広く開示し、それをメディアが大きく扱う必要がある。国が開示した情報を見る人はとても少ないので、やはり多くの人が目にするメディアで扱うことの重要性は高い。そして、次世代を担っていく子どもたちにはその情報を盛り込んだ教育をしていくことが必要だろう。