相模原事件とヘイトクライム 第三章の感想 渡邉崇大
まずはじめに、私が第三章を読んで不思議に思ったことがある。それは、ドイツ精神医学・精神療法・神経学会の謝罪は、なぜ関係者が生きているうちは言えなかったのかという事だ。T4作戦は残虐な行為で許しがたいことであるという認識は世界共通であるだろう。ならば、その許しがたい作戦に関わっていた人たちが謝罪するべきなのではないだろうか。なぜ、関係者が謝罪しなかったのだろうか。
私は、T4作戦の関係者が謝罪しなかった理由として二つの理由を考えた。一つ目は、障がい者を殺害することにまったく罪悪感を感じていなかったから。もう一つは、人を殺害し続けた罪から目を背けていたから。もしかしたらほかに理由があるのかもしれないが、どんな理由にせよ謝罪をしないことは間違いである。もっと、ドイツ国内で自分たちの犯してきたことについて考えるべきだったのではないだろうか。この問題が少し、ないがしろにされているように思えた。
日本国内についても問題があるように思っている。私は、ドイツがユダヤ人を虐殺していたことは昔から知っていたが、障がい者も虐殺の対象にされていたことは全く知らなかった。大学生になって初めて知ったのだ。障がい者についてはいろいろと教えられてきたが、こんな大きな出来事があったことは全く教えられず、ドイツに関しては、ユダヤ人の虐殺の話ばかり聞かされてきた。なぜこんな大事なことを教えないのか。このことを教えるだけでも障がい者差別についての考え方が少しでも変わるのではないだろうか。私はこのことについてもう少し早めに知っておきたかったと思っている。
世界では、ドイツの行ってきたことは悪いことだと思われている。まさしくその通りだ。だから、ドイツの行ってきたことから学び、二度とこのような政策、事件が起こらないようにすべきである。しかし、日本は学ぶことができていなかったのだと思った。もしできていたら、相模原事件のような事件は起こっていないし、未然に防ぐこともできただろう。自分含め、意識を変えていかなくてはいけないと思った。