相模原事件とヘイトクライム 第2章の感想と考え 阿部恵大
他者を排除するのではなく、認め合うことが必要だと横山さんは述べている。確かにそれは障害者の方々がより生活を健やかに送るためには必要なことである。しかし、他者の視線が厳しい、障害者は邪魔だ、金食い虫だという考えが誰にでもある意識であると思っているという考えに関して納得いかない。世の中には多種多様の人間がいる。当然姿も違うし、考え方だって同じではない。であるので、障害者に対して、悪く思う人も存在すると思う。これは障害者だけに限ることではなく、人気なタレントやアーティストその他何に対しても存在する。それをしかたないと言ってしまえばそれは残酷ではあるが、それでもしかたのない部分はあると思う。横山さんは「考え過ぎかもしれない」と述べていたが、そのように障害者は誰にとっても良く思われていないというその考え方自体も優生思想に囚われていると思った。優生思想は上(非障害者)から下(障害者)に見下し、差別するものであると思うが、逆に下から上を差別化する優生思想というものもあるのではないだろうかと思った。つまり障害者の中には障害者自身で優生思想的考えをもたらしているのではないかということである。障害者自身が障害者を悲劇的、劣勢的だと卑下しているように思えた。同様に、藤井さんの「障害者だから許されるとしたからでしょう」と述べているところにも、主観で厚生労働省を悪に見立て「障害者差別をしている」と障害者を弱者としているように思える。そこにも障害者側の優生思想を感じた。これはあくまで横山さんや藤井さんの考えを読んでそのように思ったのであり、すべての障害者が同様であるわけではないが、障害者の中に障害者側からの優生思想を持つ方が多く存在するのであれば、認め合うことを実現するのは難しいと思う。