「相模原事件とヘイトクライム」第四章を読んで 坪井翼

 私は障害のある人に直に接してもらうことが大事だという考え方に賛成である。理由は、障がい者というものをただの総称としてのイメージではなく、特定の誰かと結び付け、障害というものの実態を肌で感じなければ、当事者意識というものは生まれないからである。
 現在、白人警官が黒人男性を射殺したという事件が全世界で波紋を呼び、各地でデモが起こる騒動が起こっているが、これについて重大な問題だと認識している日本人はどれだけいるのだろうか。私は騒動が起こっていることは知っているが、そこまで大きな問題とは感じていないという人が多いのではないかと考える。なぜなら、ニュースなどの媒体を通して事件があったことは知っているが、実際デモや黒人差別の実態を知らないがために、どこか他人事で自分たちとは関係がないと思っているからである。ニュースなどの情報は断片的で端的にまとまった情報しか伝えないので、事象としてとらえるだけで追体験をすることができない。そして、追体験ができないがために認識が形だけのイメージにとどまるのである。こういうことが障がい者に対してもあるのではないだろうか。
 障がい者は健常者と比べるとマイノリティであるので、多くの人は自ら求めなければ障がい者と直接会って交流するという経験は出来ない。なので、小さいときからこの経験をすれば、障がい者というイメージが特定の個人に代わり、実感をもって障害について考えることができるのではないだろうか。