関心のあるテーマ 阿部恵大
私が教育学科に入った理由は大学卒業後図書館司書として働きたいと考え、そのために社会教育について学ぶためである。私は中学二年生時の地元の公共図書館で職場体験をした。当時は何となく楽そうという理由から図書館を選んだのだが、実際に職場体験をしてみると今までには見えていなかった図書館の裏側を見ることができ、当時の私にとってかなりの刺激であった。それから図書館司書という仕事に興味を持ち、大学も司書資格を取ることを目指して選択をした。
私は中学、高校生になると読書する習慣がなくなる傾向があるということに興味がある。小学と中学生、高校生の読書率を比べると小学生までは読書をする習慣のある生徒の割合がかなり高いのに対して中学、高校生になると急激に読書習慣のある生徒の割合が低下するという調査結果を目にしたことがある。小学校では朝読書や読み聞かせ、夏休みの読書感想文など生徒に対し本を読む機会を与えているため読書をする生徒の割合が高くなっている。しかし中学、高校では読み聞かせや朝読書などの読書の機会を学校側から生徒に与えることがなくなり、また部活や学校の定期試験などにより生徒が読書をする時間が確保できなくなることによって読書の習慣が失われているのである。
このように中学、高校生の読書をする生徒の割合が低い場合、将来的に読書をする人の割合が急激に減少してしまうのではないかと考えている。現在は少子高齢化社会のため高齢者の割合が高く、高齢者が多く図書館を利用しているため図書館の利用率は維持されている。しかし数十年後、本を読む習慣がある世代がいなくたった場合、本や図書館の存在価値がなくなる可能性があるのではないかと私は考えている。そのため学校教育と図書館が社会教育という立場からこの問題へのアプローチの仕方について模索していきたいと考えている。